体験入社とは?一般的な流れ
体験入社とは、入社希望者にオフィスや現場で実際に働いてもらう制度です。会社によって体験入社の期間は異なり、1日で終わる場合もあれば、数ヶ月かけてじっくりと行われることもあります。
体験入社が行われるタイミングも、会社によってさまざまです。選考プロセスとして導入されていることが多く、最終選考の前に体験入社の期間を設けている会社もあります。
選考プロセスの一部として行われる場合、1~2回の面接後に体験入社を行ってから、最終面接の流れが一般的です。体験入社を含む選考プロセスの例を紹介します。
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体験入社・人事面談
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最終面接
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面談・採用
体験入社時の1日の大まかな流れは、下記のとおりです。
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体験入社をするチームに移動
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仕事の体験・見学
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チームメンバーとランチ
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仕事の体験・見学
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採用担当者と面談
体験入社では、企業に割り振られたチームで1日を過ごします。昼食時もチームメンバーと行動をともにして、現場の話を聞いたり不明点や疑問点を質問したりします。
すべての体験入社が終わった後は、問題がなければ次ステップの最終面接に進みます。
体験入社当日に気をつけるべきこと
体験入社まで進めたのであれば、採用される確率は高いと言えるでしょう。ただし、必ずしも採用されるとは限りません。体験入社が選考プロセスの一部として行われている場合、言動や行動次第では不採用の可能性が高まります。
体験入社を成功させるには、次の3つに気をつける必要があります。
1.服装について確認しておく
体験入社当日の服装について確認しておきましょう。特定の部署のみスーツでほかの部署はオフィスカジュアル、全社でスーツ統一など会社によって服装のルールはさまざまです。自己判断せず、担当者へ確認しておくことが大切です。
「服装自由」と指示された場合は、スーツやオフィスカジュアルが望ましいとされています。入社が決まるまでは自身が社外の人間であることを意識して服装を選びましょう。あまりに場違いな私服は、チームメンバーや採用担当者の印象を悪くします。
また、「私服でお越しください」と明確に指示された場合の服装選びにも注意が必要です。業界によっては、入社希望者の普段の服装(その人らしさが伝わる格好)を見たいと考え、私服を指定していることがあります。
私服と指示された場合も、カジュアルすぎる服装は避け、社会人らしいチョイスを意識することが大切です。スーツを着ると「指示を守らない」「指示を忘れた」などと捉えられる可能性もあるため、オフィスカジュアルがおすすめです。
2.選考プロセスであることを意識する
体験入社は、選考プロセスの一部として行っている会社がほとんどです。体験時の過ごし方を、選考の参考としています。
採用担当者やチームメンバーは適性や職務能力のみならず、モチベーション、コミュニケーション能力、一般的なマナーなども確認しています。入社希望者が会社との相性を確認するように、会社も「受け入れて問題ない人物か」「自社の雰囲気に合っているか」などを見ていることを意識して行動しましょう。
3.体験入社で知った情報について注意する
体験入社時は、業務の中で会社の機密情報や秘密情報などを知ることがあります。機密情報や秘密情報の特徴は下記のとおりです。
・機密情報:経営や財務など会社にとって重大な情報(企業秘密とも呼ぶ)
・秘密情報:秘密保持契約書に記載された範囲の情報(契約ごとに異なる)
業務や雑談の中で知り得た情報は、外部に漏らさないことが重要です。情報流出により、企業側が顧客や取引先からの信頼を失うリスクがあるためです。
情報漏えいリスクを軽減する目的で、体験入社時に会社から秘密保持契約の締結を求められることもあります。秘密保持契約とは、会社で得た秘密情報を他人へ開示したり、用途以外で使用したりすることを禁じるための契約です。
「よく分からない契約書を書かされそうで怖い」と誤解することがないように、事前に機密情報や秘密情報、秘密保持契約について理解しておく必要があります。
体験入社で重要なのは目的の明確化
体験入社は、入社希望者にとっても会社のリアルな部分を知る機会です。せっかくのチャンスを最大限活用するためには、明確な目的をもって体験入社に臨むことが大切です。
目的がない状態で体験入社に参加しても、「イヤな人がいた」「体験した仕事が楽しかった」など表面的な感想しか残りません。体験入社は、残りの選考を受けても問題ないのか、ほかの会社への応募も考えるべきか判断するための材料でもあります。
体験入社時の経験を活用できるように、チェックすべきポイントをあらかじめ明確にしたうえで参加しましょう。
体験入社時にチェックしておきたい4つのポイント
体験入社の経験を活かすためには、会社をさまざまな角度からチェックすることが大切です。ここでは、代表的なチェックポイント4つを紹介します。
1.社風
1つ目にチェックすべきポイントは社風です。オフィスや現場の雰囲気は、企業規模や業種、働いているメンバーなどによって大きく異なります。
人によっては大企業の雰囲気が合わない一方で、少人数の中小企業が働きやすいと感じる場合もあります。応募した会社が自分に合う社風なのか、職場の人数は自分にとって心地よいかなどを確認しましょう。
また、企業理念も社風をチェックするときの重要なポイントです。企業理念が社内にどの程度浸透しているか、どのような場で活用されているのか確認します。
たとえば「お客様ファースト」を企業理念としている場合、営業時に自社の利益のみならず顧客のメリットも考慮して判断している場面が多ければ、浸透しているといえます。
社風をチェックするためには、自己分析も欠かせません。事前にどのような社風が自身に合っているのか分析しておくと、体験入社時に判断しやすくなります。
2.人間関係
2つ目は、人間関係です。職場の人間関係は転職理由にもなりやすく、働くときのモチベーションやメンタルヘルスにも大きく影響します。
一方で、面接やコーポレートサイトなどでは容易に判断できない部分でもあります。体験入社時は、自身の目で実際の人間関係を確認できる貴重な機会です。上司と部下の関係や、社員間のコミュニケーションの多さなど、さまざまな角度から確認しましょう。
一見、無口なチームや部署でも、社員同士で協力していたり、あいさつや休憩時間中の会話が弾んでいたりする場合もあります。体験入社時は、ランチタイムをチームメンバーと過ごすケースが一般的です。業務時間以外の雰囲気も含めて、人間関係を判断しましょう。
3.仕事内容
3つ目は仕事内容です。自分のスキルが活かせるか、キャリアプランに沿った業務に挑戦できるかなどはもちろん、事前情報やイメージとのギャップの有無も重要です。
事前に採用担当者から聞いていた仕事内容と大きく異なっている場合は、入社後にストレスや混乱の原因となるおそれがあります。イメージとのミスマッチにより、早期離職の理由となりかねません。
入社後に後悔しないためにも、仕事内容は必ず事前情報や自身のイメージと合っているか確認しましょう。周囲のメンバーの仕事も含めて確認すると、より具体的なイメージにつながります。どのような流れで仕事が進むのか、どのように協力し合っているのか把握しておきましょう。
4.労働条件
労働条件とは、会社が従業員に対して提示する、働くうえで重要なルールや待遇などのことです。始業・終業の時間、賃金、働く場所などがあげられ、会社側は労働基準法によって明示するよう義務付けられています。
体験入社時は、労働条件に関する各項目も確認しましょう。休日はもちろん、残業時間や休憩のタイミング、就業時間なども確認します。こまかな条件は雇用形態によって変わる部分もあるため、正社員以外で応募するときは注意が必要です。
まとめ
入社希望者とのミスマッチを防ぐために、体験入社を導入する企業は増えつつあります。求職者側にとっても、入社前に実際の仕事やオフィスを経験できる体験入社は、多くのメリットが期待できます。
「今度こそ自分に合った会社に入りたい」「失敗したくない」と考える方は、体験入社のある会社への応募を検討してはいかがでしょうか。
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